神澤氏による解説!知っているようで知らないマスクのこと

最終更新日 2023年9月21日

風邪やインフルエンザ、コロナウイルスなど感染症に対して、マスクは必要なアイテムとして知られています。
その役割として、一番大きいのはすでに感染した患者が、くしゃみや咳をしたときに空気中に細菌・ウイルスなどの病原体が含まれた飛沫を周囲に飛び散らせないようにすることです。
インフルエンザの場合には、咳をしたときに出る飛沫にウイルスがおよそ10万個、くしゃみになるとおよそ200万個が含まれるという研究結果も出ています。
もし、何も着けていない患者が街なかで咳やくしゃみをしたとすれば、周囲にいる人達を感染させる危険性が高まります。
そのようなことは防がなければいけませんから、必ずマスクを着用するべきです。
医療用のサージカルマスクの場合には、外科手術などをするときにツバや雑菌が、傷口から付着するのを防ぐために開発されています。

 

呼吸をするときに病原体から人を守る

もう一つの役割は、呼吸をするときに病原体から人を守ることです。
ただ、こちらは飛沫の拡散と違って、劇的に効果があるわけではありません。
医療用として使われている製品でも、病原体を通してしまったという調査結果があります。
全く無意味ではないとしても、予防効果としての効果は限定的であることを理解し、手洗いや消毒と組み合わせた対策をしていくことが重要です。

上記の役割を果たすためには、ただ顔につければ良いというものではありません。
顔に密着させておかなければ、病原体を含んだ空気が隙間から出たり入ったりができてしまいます。
必ず鼻と口を覆うようにして顎までカバーするように広げます。
そして、ワイヤーが入っているタイプであれば鼻の形に合わせて折り曲げます。
使用をした後は病原体が布の部分についている可能性がありますから、そこに触れないようゴムの部分だけをつまんで外す用に注意をします。
そして机などに放置せず、ゴミ箱に廃棄して手洗いをして衛生的な状態を保ちます。
なお布には裏表があり、プリーツがあるタイプならば、ひだが下に向いている方が表です。
また多くの製品ではゴムが接着されている面が、表なので装着する前に注意深く確認しましょう。

 

マスクの素材・形容

薬局などで購入するマスクには、いろいろな素材・形容があります。
素材については主にガーゼと不織布にわけられます。
ガーゼは目の荒いガーゼを使ったもので、小さい病原体をとらえるような性能はありません。
しかし、喋ったりくしゃみをしたりするときに飛ぶツバは防げますから、食べ物にツバを混入させたくない学校給食の配膳や飲食店などで使うのであれば十分に役目を果たせます。
不織布はガーゼのように繊維を織り込んでいるものではなく、樹脂を使ったり絡ませたりすることで布のようにしているものです。
そのため、織った布よりも隙間が小さくて、病原体や花粉などをとらえるフィルターとして効果的です。
不織布は大量生産しやすく価格も安いので、1回ごとに使い捨てができます。
使い回しをすれば病原体が残る可能性もありますが、使い捨てであればその心配はないので安心して使えます。

不織布も、目の細かさによっていくつかの種類があります。
スギ花粉の大きさは30マイクロメートルに対して、ウイルスはわずか0.1マイクロメートルしかありません。
ですから、不織布によっては花粉は捕らえられるけど、ウイルスは通してしまうということがあります。
使用する状況に合わせて不織布の性能をあわせなければ、マスクを装着する意味が失われます。
製品には「ウイルス対策」とか「PM2.5対策」といった用途が書かれていますから、購入する前によく確認しておきましょう。

形状についてみていくと、一枚の布をそのままつける平型、ひだを着けているプリーツ型、顔の形に合わせた立体型があります。
平型は主に素材としてガーゼを使った製品に用いられており、プリーツ型と立体型は不織布を使ったタイプに用いられます。
プリーツ型と立体型は口に密着させるのではなく、ある程度の空間が生まれますから呼吸が楽にできます。
より密着しやすいのは顔の形にあわせた立体型ですから、購入するときに迷ったならばそちらを選んだほうが良いでしょう。

 

マスクの水洗いや消毒について神澤氏の見解

感染症が流行しているために、マスクが品切れになったとき、使い捨ての製品を水洗いをしたり、消毒をすること再利用をするひともいます。
これに効果があるのかというと水や消毒液に触れることで、不織布の性能が落ちるため病原体をとらえられなくなる可能性があります。
医療関係者やすでに感染している患者はやめておくべきです。
当然ですが、他の誰かが使ったものを、使いまわしするというのも絶対にやってはいけません。

➡️神澤光朗 評判

ならば、自分でガーゼや布を使って手作りをして、使い捨てのフィルターと合わせて使うという人もいます。
ただ、こちらも十分な性能を持つフィルターを入手しなければ意味がありませんし、顔の形に合わせられなければ隙間がでてしまいます。
効果があるのか、医学的に検証されていないので確かなことは何も言えません。
ただ、何も着けていないと不安だというならば、パニックを防ぐという目的であれば効果を発揮するでしょう。